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指の靭帯損傷(側副靭帯)
◎概要
指には、指先からDIP関節・PIP関節・MP関節という関節があります。それぞれの関節の内・外側には側副靭帯があり、よく損傷を起こします。
中でも、「2指〜5指のPIP関節」と「母指のMP関節」の側副靭帯に多く発生します。
◎原因
バレーボール・バスケットボール・ハンドボール・野球といったスポーツ・日常生活・仕事などで、いわゆる突き指・手を突いて転倒・指を捻る・骨折や脱臼に伴ってなど、いろいろなパターンで発生します。
…※いわゆる突き指:指にボールや物などが当たって起こる指のケガの総称で、骨折・靭帯損傷・腱損傷など、いろいろな指のケガを含む言葉です。
◎症状
指を動かすと痛む、腫張(はれ)、血腫(内出血)、指がグラグラする、変形などがあります。また、脱臼や骨折を合併することがあります。
靭帯の断裂の程度で、以下のように損傷以下のように損傷程度が決められます。
・1度:靭帯が伸びる、あるいは一部断裂したもの。
・2度:広範囲にわたって断裂したもの。
・3度:完全断裂。
◎検査
X線検査では靭帯は明確に写らず、臨床所見や徒手検査が基本になりほぼ判断できます。3度損傷が疑われる場合は、ストレスX線撮影やMRI検査が行われる場合があります。どの患者さんにもこれらの検査すべてが必要なわけではありません。当院では、必要に応じてほかの医療機関とも連携しながら検査を行っています。
一方で、MRIでも異常を明確に写すことができないこともあり、問診・臨床所見などが重要です。また、当院では超音波エコーで靭帯の状態などをチェックしながら治療を進めています。
◎治療
手術治療と保存治療(手術以外)があり、保存治療が基本になります。
当院では、損傷の程度に応じて患部の固定・靭帯再生の促進・痛みの軽減などを目的に、テーピング、ギプス・副子・装具固定、アイシング(冷却)、低周波治療、温熱療法、マッサージ、ストレッチング、関節可動域訓練などを行っています。
また、「母指の小指側の尺側側副靭帯の完全断裂」や「PIP関節の親指側の橈側側副靱帯の完全断裂」などでは、手術治療を検討しなければならないことがあります。そういった場合は専門医をご紹介いたしております。
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日常よく遭遇する疾患(11)上腕・肘関節・前腕部の疾患について
?上腕部の肉離れ(上腕二頭筋、上腕三頭筋)
?橈骨神経麻痺(下垂手)
?肘関節脱臼
?肘内障(子どもの肘が抜けた)
?肘内側側副靭帯損傷
?上腕骨外側上顆炎・内側上顆炎(テニス肘・ゴルフ肘・野球肘)?手首の骨折…前腕骨遠位端部骨折(橈骨、尺骨)
※各疾患にスキップしてご覧になる場合は、
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趾骨骨折(足の指の骨折)
◎原因
足に重いものが落下したり、打撲したり、つまずいて捻ったりした際などに発生します。
◎症状
足の指(趾)の腫張(はれ)、血腫(内出血)、変形、歩行痛などがあります。
◎検査
骨折が疑われる場合はX線検査が行われます。しかし、骨に転位のないもの(ズレのないもの、ヒビ)、小さな裂離骨折、小児の骨端線(成長軟骨)損傷などは、骨折がX線検査では明確に分からないことがあります。
したがって、X線所見で骨折が明確でない場合でも、問診・症状・臨床所見などが重要で、骨折が疑われる場合は骨折に準じた同じような処置が必要になります。
当院では、上記のようなことを踏まえた上で、問診・症状・臨床所見などを重視し、さらに局部をクローズアップして観察できる超音波エコーで経過を観察しながら治療を進めています。
◎治療
保存治療(手術以外)と手術治療があり、ほとんどは保存治療が行われます。
手術治療は、転位(骨のずれ)を整復(骨のずれを直す)出来ない場合や、整復した状態がある程度の範囲で維持できない場合に行われます。
当院では、整復が必要な骨折は整復(骨のずれを直す)を行い、骨折の骨癒合の促進・痛みの軽減などを目的に、ギプス・副子固定、低周波治療、松葉杖による免荷、アイシング(冷却)、温熱療法などを行っています。
次に、症状や骨癒合の状況に応じてストレッチング、マッサージ、筋力増強訓練、関節可動域訓練などを行っています。
母趾種子骨障害
◎概要
足の母趾球(母趾の付け根の足底の膨らみ)には、“種子骨”という骨があり、足の筋腱の働きを高める役割をしています。
◎原因
足を強く踏み込む・蹴りだすようなスポーツや作業で発生することが多いです(陸上競技、サッカー、剣道、空手、バスケットボールなど)。
また、先天的に種子骨が分裂している場合や、疲労骨折を起こす場合もあります。
◎症状
母趾球部の痛み(歩行・ランニング)、腫張(はれ)、圧痛(押すと痛む)など。
◎治療
保存治療(手術以外)と手術治療がありますが、ほとんどは保存治療が行われます。
当院では、痛みや症状の軽減・患部の固定などを目的に、テーピング・副子固定・装具療法(足底板)・低周波治療・アイシング(冷却)・温熱療法・ストレッチング・マッサージなどを行っています。
外反母趾
◎概要
足の母趾(親指)の付け根の関節(MTP関節)が、外(小指)側に向いてしまうものです。
女性に多く(男性にもあります)、幅広い年代に起こりますが中高年に多いです。生活様式の西洋化に伴って、増加傾向にあります。
◎原因
最も大きな原因は「靴」で、特にパンプスやハイヒールなどの 「幅の狭い靴」「かかとの高い靴」が問題になります。
足のアーチの低下(扁平足など)、筋力低下、体重、関節リウマチなど、いろいろな要素が関連することがあります。
◎症状
歩行痛、腫張(はれ)、発赤、母趾(親指)が外(小指)側に向く、小指が内側に向く(内反小趾)、足底部に胼胝(たこ)など。
◎治療
当院では、痛みや症状の軽減・患部の固定などを目的に、テーピング・装具療法(足底板・指間装具など)・低周波治療・温熱療法・ストレッチング・マッサージ・筋力増強訓練・はり灸治療などを行っています。
一方で、手術療法を検討しなければならない場合もあります。そういった場合は専門医をご紹介いたしております。
モートン病
◎概要
足の指(趾)の間の“趾神経”が炎症を起こし痛みが発生する疾患をモートン病といいます。
中高年の女性に多く認められ(男性にも起こります)、第3と第4指の間に最も多く発生します。
◎原因
幅の狭い靴、ハイヒール、立ち仕事、スポーツなどで趾神経が圧迫されて発生します。
◎症状
足の裏から足の指の痛みやシビレ、つま先立ちやしゃがみ込みで痛む、靴を履いて歩くと痛む(靴を脱いで歩くと痛みが軽い)など。
◎検査
触診や臨床検査でほとんど分かります。
補助的に、神経を描出できるMRIや超音波エコーが行われることがあり、当院では必要に応じて超音波エコーを行いながら治療を進めています。
◎治療
保存治療(手術以外)と手術治療があります。
手術治療は、十分な保存治療を行っても改善されない場合に検討されることがあります。
かかとが低く・幅の広い靴をご使用していただくことが大切です。その上で当院では、痛みの軽減・患部の負担の軽減・血流の改善などを目的にテーピング、装具療法(足底板)、低周波治療、アイシング(冷却)、温熱療法・運動療法・ストレッチング・マッサージ、はり灸治療などを行っています。
第5中足骨基部骨折(下駄骨折)
◎概要
足の甲には中足骨(ちゅうそくこつ)という骨が5本あり、第5中足骨は小指の骨にあたります。第5中足骨の基部(足首に近い部分)は、骨折を起こしやすい部分で、別名“下駄骨折”といいます。
また、スポーツで発生することの多い第5中足骨基部の疲労骨折は、別名 “ジョーンズ骨折”といいます。
◎原因
足の捻挫と同じように、足を内側に捻って(内がえし)発生します。
下駄を履いて足を捻った際に発生することが多かったため“下駄骨折”と呼ばれました。現在は、普通の靴でも発生しますが、サンダルやハイヒールなどの高い靴で捻ると発生しやすくなります。
◎症状
歩行痛、足を捻ると痛い、腫張(はれる)、血腫(内出血)などがあります。
◎検査
X線検査で骨折がないか確認されますが、中には転位(骨のずれ)が少ないものもあり、注意が必要です。
当院では、上記のようなことを踏まえた上で、問診・症状・臨床所見などを重視し、さらに局部をクローズアップして観察できる超音波エコーで経過観察等を行っています。
◎治療
ほとんどは保存治療(手術治療以外)が行われ、手術治療はまれですが、転位が大きい場合などに行われることがあります。
当院では、患部の固定・骨癒合の促進・痛みの軽減などを目的に、ギプス・装具・テーピング・包帯固定、松葉杖による免荷、アイシング(冷却)、低周波治療、温熱療法、マッサージなどを行っています。
次に、骨癒合や症状の状況に応じて、関節可動域訓練・ストレッチング・筋力増強訓練などを加えて行っています。
※緑色の疾患名をクリックすると各疾患にジャンプします
中足骨疲労骨折(行軍骨折、ジョーンズ骨折)
◎概要
足の甲には、中足骨(ちゅうそくこつ)という骨が5本あります。中足骨の疲労骨折は、スポーツで発生することが多いです。
第2・3中足骨骨幹部に最も多く起こり、兵士に多かったことから別名“行軍骨折”といいます。
また、第5中足骨基部の疲労骨折は別名“ジョーンズ骨折”といいます。
◎原因
スポーツなどで繰り返しのストレスが骨に加わって起こります。ランニングやジャンプなどを繰り返す、陸上競技・バスケットボ−ル・バレーボール・サッカーなどでよく発生します。
下肢のアライメント(回内足、扁平足、O・X脚など)、フォーム、筋力、練習環境、シューズなど、いろいろな要因が関与します。
◎症状
足の甲や小指の付け根の痛み、腫張(はれ)、圧痛(押すと痛む)など。
◎検査
X線・CT・MRI・シンチグラフィー検査などがありますが、どの患者さんにもこれらの検査すべてが必要なわけではありません。当院では、必要に応じてほかの医療機関とも連携しながら検査を行っています。
また、X線検査では初期は疲労骨折があっても異常が見つからないことも多くあり、問診・症状・臨床所見などが重要です。
当院では、上記のようなことを踏まえた上で、問診・症状・臨床所見などを重視し、さらに局部をクローズアップして観察できる超音波エコーを加えて行っています。
◎治療
ほとんどは保存治療(手術治療以外)が行われ、手術治療はまれです。第5中足骨基部のジョーンズ骨折は、骨癒合が悪い場所であるため、保存治療を行っても治りにくい場合には手術治療を行うことがあります。
当院では、患部の固定・骨癒合の促進・筋肉の緊張緩和・痛みの軽減などを目的に、テーピング・ギプス・装具・包帯固定、松葉杖による免荷、アイシング(冷却)、低周波治療、温熱療法、マッサージなどを行っています。
次に、骨癒合や症状の状況に応じて、ストレッチング、筋力増強訓練などを加えて行っています。
踵(かかと)の滑液包炎・・・踵骨後部滑液包炎(パンプスのコブ)、踵骨下部滑液包炎(かかとの打撲)
◎概要
滑液包は、衝撃の吸収や摩擦からの保護といった、関節・腱・靱帯・皮膚などの機能を助ける重要な役割をしています。
踵骨後部滑液包は、アキレス腱が踵骨(かかとの骨)に付着する部分にあります。
踵骨下部滑液包は、ヒールパッドと踵骨の間にあります。
※ヒールパッド・・・かかとの皮膚の下にある脂肪組織で、衝撃を緩和する働きがあります。かかとの打撲で踵骨下部滑液包とともに損傷を起こしやすい場所です。治療法は、踵骨下部滑液包炎とほとんど同じです。
◎原因
1)踵骨後部滑液包炎
靴の圧迫や摩擦(特にパンプスやハイヒールなどかかとの部分が固い靴)、足関節の運動に伴うアキレス腱のオーバーユース(使いすぎ)など。
2)踵骨下部滑液包炎
高所からの転落、ジャンプの着地、硬い床や路面で踵に衝撃や打撲を起こした際に発生することが多いです。
◎症状
1)踵骨後部滑液包炎
歩行痛(靴を履いて歩くと痛む)、腫張(はれ、コブ状になることがある)、圧痛(押すと痛む)など。
2)踵骨下部滑液包炎
踵(かかと)をつくと痛む、腫張(はれ)、圧痛(押すと痛む)など。
◎治療
1)踵骨後部滑液包炎
踵(かかと)の圧迫や摩擦の少ない靴を履くことが大切です。その上で、当院ではアキレス腱や筋肉の緊張緩和・痛みの軽減・血流の改善などを目的に、テーピング・装具療法(足底板)・低周波治療・アイシング(冷却)・温熱療法・ストレッチング・マッサージ・はり灸治療などを行っています。
2)踵骨下部滑液包炎
当院では踵(かかと)の衝撃の緩和・痛みの軽減・血流の改善などを目的に、テーピング・装具療法(足底板)・低周波治療・アイシング(冷却)・温熱療法などを行っています。
足底腱膜炎(足底筋膜炎)
◎概要
土踏まずの内側で、踵骨(かかとの骨)の足底部が痛む疾患です。この場所は、足の土踏まず(内側縦アーチ)を構成する“足底腱膜”が付着するため炎症を起こしやすい特徴があります。
◎原因
ランニング・ウオーキング・ジャンプなどのスポーツ活動や、立ち仕事などオーバーユース(使いすぎ)によって足底腱膜に微細な断裂などが起こり、炎症を起こし痛みが発生します。
下肢のアライメント(O・X脚、回内足、扁平足など)の異常、シューズ、体重増加、硬い路面や床、柔軟性、筋力、フォームなど、いろいろな要素が関与することがあります。
◎症状
腫張(はれ)、圧痛(押さえると痛む)、ランニングや歩行時の痛み、特に“歩き始めの痛み”が特徴的です。
◎検査
触診などの臨床検査でほとんど判断できます。X線検査では通常異常はみられません(踵骨棘という骨の棘がみられることもあります。以前はこれに対し、積極的に手術治療が行わることもありましたが、現在はあまり行われなくなってきました)。
当院では、臨床検査を十分に行って、必要に応じて超音波エコーで足底腱膜の状態を経過観察しながら治療を進めています。
◎治療
当院では、運動を制限・休止することが原則ですが、さまざまなことからスポーツや作業を継続しなければならない人もあり、個人の特性に合わせて治療の方針を立てて行っています。その上で、腱膜や筋肉の緊張緩和・痛みの軽減・血流の改善などを目的に、装具療法(足底板)・テーピング・低周波治療、アイシング(冷却)・温熱療法・筋力増強訓練・ストレッチング・マッサージなどを行っています。また、はり灸治療も大変有効です。
踵骨骨端症(Sever病)
◎概要
踵骨(かかとの骨)の後方で痛みが起きる疾患です。シーバー病あるいはセーバー病と呼ばれます。
踵骨後方には“アキレス腱”が付着し、大きな力(牽引力)が働きます。 成長期(10代、小・中学校生くらい)の男子(女子にもあります)に多発します。この年代は踵骨部に骨端線(成長軟骨)があり、完成された大人の骨と比べると力学的に弱いため傷害を起こしやすいのが特徴です。
◎原因
走る・ジャンプ・ボールを蹴るといった繰り返しで、アキレス腱の牽引力が働いて骨端線(成長軟骨)が損傷を起こします。
◎症状
ランニング・ジャンプ・歩行時の痛み、痛みのために踵をついて歩けない、腫張(はれ)、圧痛(押さえると痛む)など。
◎治療
当院では、運動を制限・休止することが原則ですが、さまざまなことからスポーツ活動を継続しなければならない人もあり、個人の特性に合わせて治療の方針を立てて行っています。その上で、アキレス腱や筋肉の緊張緩和・痛みの軽減・血流の改善などを目的にテーピング、装具療法(足底板)、低周波治療、アイシング(冷却)、温熱療法・運動療法・ストレッチング・マッサージ、はり灸治療などを行っています。
有痛性外脛骨
◎概要
足首の内側のくるぶしの前下方に、足舟状骨という骨の膨らみを触れることができます。足舟状骨には、外脛骨という過剰骨(種子骨)が付着していることがあります。
外脛骨が存在していても痛みがないものもあり(無痛性外脛骨)、何らかのきっかけで痛みをおこすものを「有痛性外脛骨」と呼び、小学生〜高校生くらいの女子に多く発生します(男子のも起こります)。
また、足舟状骨には「後脛骨筋」という筋肉が付着していて、大きな力が働く場所です。
外脛骨は、足舟状骨との関係によって大きく3つに分類することができます。
1)外脛骨と足舟状骨が「分離しているもの」
2)外脛骨と足舟状骨が軟骨で「結合しているもの」
3)外脛骨と足舟状骨が「骨で結合しているもの」
◎原因
足を捻る・打撲・過度の運動などで、外脛骨と足舟状骨の結合部の軟骨・骨などが、後脛骨筋の牽引力によって、炎症・亀裂・骨折などを発生するものが多いと思われます。
下肢のアライメント(X脚、回内足、扁平足など)の異常、靴の圧迫など、いろいろな要素の関与も考えられます。
◎症状
足の内側の痛み、腫張(はれ)、外見上も骨が隆起する、発赤、歩行や運動時の痛みなど。
◎治療
保存治療(手術以外)がほとんどで、手術治療はまれです。
当院では、運動を制限・休止することが原則ですが、さまざまなことからスポーツ活動などを継続しなければならない人もあり、個人の特性に合わせて治療の方針を立てて行っています。その上で、軟骨・骨損傷の癒合促進・筋肉の緊張緩和・痛みの軽減・血流の改善などを目的に装具療法(足底板)、テーピング、ギプス固定、松葉杖による免荷、低周波治療、アイシング(冷却)、温熱療法、運動療法、ストレッチング、マッサージ、はり灸治療などを行っています。
足首の骨折(足関節果部骨折、裂離骨折、骨端線損傷)
◎概要
足首のくるぶし(足関節果部)付近の骨折は、小児から大人まで幅広い年代に起こります。骨折していても歩行可能な場合も多く、注意が必要です。
◎原因
段差や階段で踏みちがえる、転倒などで足を捻った際に発生することが多いです。
◎症状
足首の腫張(はれ)、血腫(内出血)、足がグラグラする、歩行痛などがあります。
◎検査
骨折が疑われる場合はX線検査が行われます。しかし、骨に転位のないもの(ズレのないもの、ヒビ)、小さな裂離骨折、小児の骨端線(成長軟骨)損傷などは、骨折がX線検査では明確に分からないことがあります。
したがって、X線所見で骨折が明確でない場合でも、問診・症状・臨床所見などが重要で、骨折が疑われる場合は骨折に準じた同じような処置が必要になります。
当院では、上記のようなことを踏まえた上で、問診・症状・臨床所見などを重視し、さらに局部をクローズアップして観察できる超音波エコーで経過を観察しながら治療を進めています。
◎治療
手術治療と保存治療(手術以外)があります。
手術治療は、転位(骨のずれ)を整復(骨のずれを直す)出来ない場合や、整復した状態がある程度の範囲で維持できない場合に行われます。
保存治療は転位がない場合や、転位を徒手整復し、整復した状態がある程度の範囲で維持できる場合に行われます。
当院では、整復が必要な骨折は整復(骨のずれを直す)を行い、骨折の骨癒合の促進・痛みの軽減などを目的に、ギプス・装具固定、低周波治療、松葉杖による免荷、アイシング(冷却)、温熱療法などを行っています。
次に、症状や骨癒合の状況に応じてストレッチング、マッサージ、筋力増強訓練、関節可動域訓練などを行っています。
足関節の腱炎(腓骨筋腱、後脛骨筋腱、前脛骨筋腱)
◎概要
足関節の周囲には、一般によく知られるアキレス腱のほかに、腓骨筋腱・後脛骨筋腱・前脛骨筋腱などの腱があり、炎症を起こし痛むことが多い場所です。
腓骨筋腱は外果(外くるぶし)の後方から下方、後脛骨筋腱は内果(内くるぶし)の後方から下方、前脛骨筋腱は内果(内くるぶし)の前方にあります。
◎原因
ランニング・ジャンプ・ウオーキングなどスポーツや長時間の作業で、これらの腱に負荷がかかって炎症を起こし痛みが生じます。
シューズ、路面、下肢のアライメント(X・O脚、回内足、扁平足・ハイアーチなど)など、いろいろな要素が関与します。
◎症状
ランニング・ジャンプなどの運動時の痛みが多く、進行するとストレッチングや歩行でも痛みます。
◎治療
運動を制限・休止することが原則ですが、さまざまなことからスポーツ活動や作業を継続しなければならない人もあり、当院ではそういった個人の特性に合わせて治療の方針を立てて行っています。その上で、腱や筋肉の緊張緩和・痛みの軽減・血流の改善などを目的に、低周波治療・アイシング(冷却)・テーピング・装具療法(足底板)・温熱療法・筋力増強訓練・ストレッチング・マッサージなどを行っています。また、はり灸治療も大変有効です。
足の捻挫(足関節捻挫、ショパール関節捻挫、リスフラン関節捻挫)
◎概要
足の捻挫はとても多い疾患で、主に「足関節」「ショパール関節」「リスフラン関節」で起こりますが、中でも足関節の外側側副靭帯(前距腓靱帯・踵腓靱帯)に多く発生します。
足関節の外側側副靭帯3度損傷(完全断裂)に対して、これまで手術治療が積極的に行われることもありましたが、最近は保存治療(手術以外)が見直され、その治療成績も良好です。
◎原因
段差やジャンプの着地などで足を捻って発生します。捻る方向は、“内がえし(内側に捻る)”と“外がえし(外に捻る)”がありますが、“内がえし(内側に捻る)”がほとんどです。
◎症状
歩行痛、屈伸すると痛い、腫張(はれる)、血腫(内出血)、足がグラグラするなどがあります。
靭帯の損傷の程度で、以下のように損傷程度が決められます。
・1度:靭帯が伸びる、あるいは一部断裂したもの。
・2度:広範囲にわたって断裂したもの。
・3度:完全断裂。
◎検査
X線検査では靭帯は明確に写らず、臨床所見や徒手検査が基本になりほぼ判断できます。さらに、軟骨損傷の疑いなどがある場合はMRIや関節鏡検査などが行われます。どの患者さんにもこれらの検査すべてが必要なわけではありません。当院では、必要に応じてほかの医療機関とも連携しながら検査を行っています。
一方で、MRIでも異常を明確に写すことができないこともあり、問診・臨床所見などが重要です。また、当院では超音波エコーで靭帯の状態などをチェックしながら治療を進めています。
◎治療
1)足関節捻挫
“1度・2度損傷”は「保存治療」が行われますが、“3度損傷”では年齢・性別・活動性などを考慮して、手術治療・保存治療どちらを選択するかを検討しなければなりません。
当院では、損傷の程度に応じて、患部の固定・靭帯再生の促進・筋肉の柔軟性の獲得・痛みの軽減などを目的に、テーピング、ギプス固定、装具固定、アイシング(冷却)、低周波治療、温熱療法、マッサージ、筋力増強訓練、ストレッチングなどを行っています。
3度損傷に対しても手術をしなくてもよく治るため、上記のようなことを考慮した上で保存治療を行っています。
2)ショパール関節捻挫・リスフラン関節捻挫
一般的に予後は良いことが多いですが、足のアーチ(土踏まず)の動き・作用が関与することもあって、症状軽減に難渋することもあります。そういった場合は、上記のような治療に加えて足底板なども併用して治療を進めています。
?足の捻挫(足関節捻挫、ショパール関節捻挫、リスフラン関節捻挫)
?足関節の腱炎(腓骨筋腱、後脛骨筋腱、前脛骨筋腱)
※「アキレス腱炎、アキレス腱周囲炎」 は下記にてご覧ください。
http://blog.yoshikawa-ss.com/?eid=1335079
?足首の骨折(足関節果部骨折、裂離骨折、骨端線損傷)
?有痛性外脛骨
?踵骨骨端症(Sever病)
?足底筋膜炎
?踵(かかと)の滑液包炎・・・踵骨後部滑液包炎(パンプスのコブ)、踵骨下部滑液包炎
?中足骨疲労骨折(行軍骨折、ジョーンズ骨折)
?第5中足骨基部骨折(下駄骨折)
?モートン病
?外反母趾
?母趾種子骨障害
?趾(足指)骨骨折
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こむらがえり、ふくらはぎ(下腿三頭筋)のけいれん
◎概要
“こむらがえり”とは、下腿後面のふくらはぎ(下腿三頭筋)のけいれんを意味します。筋肉の痙攣は、全身の筋肉に起こる可能性がありますが、中でもふくらはぎは多く発生します。
◎原因
筋肉の疲労(スポーツ・日常生活など)、発汗などによる水分・ミネラルの不足、冷え(夜間・朝・水泳など)などが一般的に多いです。そのほか、精神的緊張、内科的疾患、中枢・末梢神経障害、妊娠などいろいろな原因でも発生しますが、不明な部分も多くあります。
◎症状
筋肉が異常に収縮を起こして収縮したままの状態になり、足首が底屈(下に曲げる)したままになります。
持続時間は、数秒から数分に及ぶことがあり、けいれん中は強い痛みになることが多いです。
けいれん後は、数日間痛みが続いたり、繰り返しけいれんが発生することがあります。また、けいれんによる筋肉の異常収縮に伴って、筋肉の線維を損傷することもあります。
◎治療
けいれんが起きたら、出来るだけ早くけいれんした筋肉を伸ばすことが重要です。具体的には、アキレス腱のストレッチングのように「膝を伸ばした状態で足首を背屈(上に反らす)」します。しかし、睡眠中や水中でけいれんが発生すると、分かっていてもこういった処置をご自分で行うことが困難であることも珍しくありません。
当院では、けいれん時やそのほかの日常の注意点などを指導しています。その上で、筋肉の緊張緩和・痛みの軽減・筋線維の修復・精神的緊張の緩和などを目的に、温熱療法・ストレッチング・筋力増強訓練・マッサージ・テーピング・低周波治療などを行っています。また、はり灸治療も大変有効です。
一方で、内科的疾患や中枢・末梢神経障害など専門的な診察・治療が必要な場合もあります。そういった疾患が疑われる場合は専門医をご紹介いたしております。
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腓骨神経麻痺(下垂足)
◎概要
腓骨神経は、下腿外側や足の甲の感覚を支配し、足首や足指を持ち上げたりする役割をしています。膝の少し下の部分では、腓骨神経は皮膚のすぐ下の浅い部分にあるため、圧迫を受けて神経麻痺を起し易い特徴があります。
同じような疾患で、橈骨神経麻痺(下垂手)というのもあります。
◎原因
しゃがみこんだり膝を深く曲げて作業する(草ひきなど)、足を組む、下腿を打撲・圧迫する(床、硬いものなど)といったことを長時間続けることで発生することが多いです。
◎症状
下垂足・下垂趾(足首や足指を背屈(上げること)が出来ない)、段差でつまずき易くなる、下腿外側や足の甲のシビレ・感覚低下など。
◎治療
保存治療(手術以外)と手術治療があり、多くは保存治療(手術以外)が行われます。
当院では、神経機能の回復の促進に低周波治療・温熱療法・はり灸治療・運動療法などを行っています。また、下垂足・下垂趾を放置すると関節の拘縮(固まる)を起こすこともあるため、程度によって装具固定・包帯固定・テーピングなどを行っています。
下腿部(ふくらはぎ)の肉離れ…下腿三頭筋(腓腹筋・ヒラメ筋)
◎概要
下腿部(ふくらはぎ)の肉離れは、後面の下腿三頭筋(腓腹筋・ヒラメ筋)に好発します。下腿三頭筋は、足首付近では腓腹筋とヒラメ筋が一緒になってアキレス腱になり、アキレス腱炎やアキレス腱断裂を起こすことがあります。
◎原因
自己の筋膜・筋肉の収縮・牽引(自家筋力)によって、筋肉の伸展や部分断裂などの損傷を起こします。受傷時に「バシッ!」という断裂音が、ご本人にも聞こえることがあります。
スポーツなどの運動でも起こりますが、日常生活の些細な動作でも発生します。また、朝に起こることの多い“こむらがえり”でも発生します。
疲労・柔軟性・筋力低下・ウオーミングアップ不足・天候・筋力のバランス・他の傷害・フォームなど、肉離れにはいろいろな要因が関与します。
◎症状
腫張(はれる)、内出血(血腫)、圧痛、歩行痛、運動時痛、筋力低下などがあります。
症状の程度はさまざまで、“少し痛む、つっぱる”といった軽症のものから、“歩行不能”になる重症のものまであります。
◎検査
一般にX線検査では異常がなく、問診や臨床所見が重要です。また、断裂部を描出するために超音波エコーやMRI検査を行うこともあります。
当院では、問診や臨床所見を重視し、必要に応じて超音波エコーを行っています。
◎治療
初期(急性期)は安静が必要で、無理なストレッチングや運動は極力避けていただくようにし、具体的な日常の使い方も指導しています。その上で、患部の固定・圧迫・筋肉の緊張緩和・痛みの軽減などを目的に、テーピング、弾力包帯・松葉杖による免荷、アイシング(冷却)、低周波治療、はり灸治療などを行っています。
次に、痛みなどの症状が軽減して急性期を過ぎると、ある程度の運動なども必要になります。急性期の治療に加えて、温熱療法・ストレッチング・筋力増強訓練・マッサージなどを行っています。
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アキレス腱断裂
◎概要
アキレス腱は人体最大の腱で、下腿後面(ふくらはぎ)の“腓腹筋”“ヒラメ筋”が一緒になってアキレス腱を構成します。昔から人間の弱点の代名詞にも使われるように、大きな力が働いて断裂を起こしやすい部位です。
アキレス腱断裂は幅広い年代に起こりますが、中でも30〜40歳代に多く発生します。
以前は、手術治療が中心でしたが、最近は保存治療(手術以外)で良好な結果が得られることが再認識されるようになりました。
◎原因
ランニング、ジャンプ、スタートダッシュといったスポーツ活動中や転倒などで多く発生しますが、日常生活の些細な動作で発生することもあります。
ストレッチング不足、過剰な運動、加齢による腱の変性、アキレス腱炎などによる断裂前からの腱の微小断裂など、いろいろな要素が関与します。
◎症状
受傷時は、「バキッ」という断裂音やアキレス腱部にボールが当たった・蹴られたような大きな衝撃を感じることが多いです。
歩行困難(ある程度の歩行ができることも多い)、つま先立ちが出来ない、腫張(はれ)、圧痛(押さえると痛む)、断裂部の陥凹を触知できるなど。
◎検査
断裂の有無は、触診などの臨床検査でほとんど判断できます。画像検査では、軟部組織の描出に優れている超音波エコーやMRI検査が行われるのが一般的です。
当院では、臨床検査を十分に行った上で、超音波エコーで断裂部を初期から癒合まで経過を観察しながら治療を進めています。
◎治療
手術治療と保存治療(手術以外)があり、どちらの治療法でも良好な結果が期待できます。最近は、保存治療を行うことが多くなってきています。
当院では、保存治療としてギプス固定・装具固定、松葉杖による免荷を行っています。固定期間中は、固定を行いながらアキレス腱の癒合促進・筋肉の柔軟性の獲得・痛みの軽減などを目的に、低周波治療、アイシング(冷却)、温熱療法などを行っています。
次に、固定が終了すると装具やテーピングなども併用しながら、低周波治療、温熱療法、マッサージ、筋力増強訓練、ストレッチングなどを行っています。
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アキレス腱炎・アキレス腱周囲炎
◎概要
アキレス腱は人体最大の腱ですが、昔から人間の弱点の代名詞にも使われるように、大きな力が働いて損傷を起こしやすい部位です。
幅広い年代に起こりますが、中でも中高年に多く発生します。
下腿後面(ふくらはぎ)の“腓腹筋”“ヒラメ筋”が一緒になって、アキレス腱を構成します。このアキレス腱が微細な部分断裂などで炎症を起こしたものを「アキレス腱炎」と呼びます。
また、アキレス腱の周囲にある“パラテノン”という結合組織が炎症を起こしたものを「アキレス腱周囲炎」と呼びます。
「アキレス腱炎」と「アキレス腱周囲炎」は、炎症を起こす部位は別ですが、両方を合併していることが多く、症状や治療法もほとんど同じです。
◎原因
ランニング・ジャンプ・ウオーキングといったスポーツや長時間の作業で、アキレス腱に負荷がかかって炎症を起こし痛みが生じます。
シューズ、路面、下肢のアライメント(X・O脚、回内足、扁平足など)など、いろいろな要素が関与します。
◎症状
ランニング・ジャンプなどの運動時の痛みが多く、進行するとストレッチングや歩行でも痛みます。
◎検査
当院では、臨床検査を行った上で、必要に応じて超音波エコーでアキレス腱断裂との鑑別(区別)、患部の腫張(はれ)の程度などをチェックしながら治療を進めています。
◎治療
運動を制限・休止することが原則ですが、さまざまなことからスポーツ活動や作業を継続しなければならない人もあり、当院ではそういった個人の特性に合わせて治療の方針を立てて行っています。その上で、消炎鎮痛・筋肉や腱の緊張緩和・痛みの軽減・血流の改善などを目的に、低周波治療・アイシング(冷却)・テーピング・装具療法(足底板)・温熱療法・筋力増強訓練・ストレッチング・マッサージなどを行っています。また、はり灸治療も大変有効です。
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下腿骨(脛骨・腓骨)の疲労骨折
◎概要
疲労骨折は成長期のスポーツ障害の代表的な疾患です。
下腿部には、脛骨(内側)と腓骨(外側)という2本の骨があり、疲労骨折の中でも発生頻度の高い部位です。
「疾走型」「跳躍型」とタイプによって分類され、疲労骨折を起こす部位に特徴があり、スポーツ復帰に長期を要する場合があります。
◎原因
スポーツなどで繰り返しのストレスが骨に加わって起こります。ランニングやジャンプなどを繰り返す、陸上競技・バスケットボ−ル・バレーボール・テニス・ラグビーなどでよく発生します。
下肢のアライメント(回内足、扁平足、O・X脚など)、フォーム、筋力、柔軟性、練習環境、また女性では過度のトレーニングによる月経周期の異常など、いろいろな要因が関与します。
◎症状
腫張(はれ)、走る・ジャンプするといった運動時の痛み、ひどくなると歩行時にも痛みが起きるようになります。
◎検査
X線・CT・MRI・シンチグラフィー検査などがありますが、どの患者さんにもこれらの検査すべてが必要なわけではありません。当院では、必要に応じてほかの医療機関とも連携しながら検査を行っています。
また、X線検査では初期は異常を明確に写すことができないことも多くあり、問診・症状・臨床所見などが重要です。
当院では、上記のようなことを踏まえた上で、問診・症状・臨床所見などを重視し、さらに局部をクローズアップして観察できる超音波エコーを加えて行っています。
◎治療
ほとんどは保存治療(手術治療以外)が行われ、手術治療はまれです。
当院では、患部の安静(スポーツ禁止)が必要であるため、無理なストレッチングや運動は極力避けていただくようにし、具体的な日常の使い方も指導しています。その上で、患部の固定・骨癒合の促進・筋肉の緊張緩和・痛みの軽減などを目的に、テーピング、松葉杖による免荷、アイシング(冷却)、低周波治療、温熱療法、マッサージなどを行っています。
次に、骨癒合や症状の状況に応じて、ストレッチング、筋力増強訓練などを加えて行っています。
脛骨過労性骨膜炎(シンスプリント)
◎概要
シンスプリントは、スポーツの下腿の痛みに対して使われてきた言葉で、具体的な病態を指して“脛骨過労性(疲労性)骨膜炎”とよばれます。
幅広い年代にみられますが、特に10代の女性に多くみられます(男性にも起こります)。
◎原因
オーバーユース(使いすぎ)によって、下腿の筋肉が脛骨の内側の骨膜を刺激し、炎症を起こして痛みが発生すると考えられています。
ランニング・ジャンプ・ダッシュなどを繰り返すスポーツ(陸上・サッカー・野球・バスケットボール・バレーボールなど)で多く発生します。もちろん、日常生活や就労などでこういった動作の多い人にも起こります。
硬い路面や床、シューズ、下肢のアライメント(O・X脚、回内足、扁平足など)の異常といった要素の関与も考えられます。
◎症状
走る・ジャンプなどの運動時の痛みが一般的ですが、ひどくなると歩行時にも痛みが起きるようになります。
◎検査
X線検査では通常異常はみられません。疲労骨折などの鑑別に、MRI・CT・骨シンチグラフィーなどを行うこともあります。どの患者さんにもこれらの検査すべてが必要なわけではありません。当院では、必要に応じてほかの医療機関とも連携しながら検査を行っています。
当院では、筋肉や骨膜の状況がよく描出できる超音波エコーで、患部の状態を経過観察しながら治療を進めています。
◎治療
当院では、運動を制限・休止することが原則ですが、さまざまなことからスポーツ活動を継続しなければならない人もあり、個人の特性に合わせて治療の方針を立てて行っています。その上で、骨膜の炎症緩和・筋肉の緊張緩和・痛みの軽減・血流の改善などを目的に、低周波治療、アイシング(冷却)、テーピング、装具療法(足底板)、温熱療法、運動療法、ストレッチング、マッサージなどを行っています。また、はり灸治療も大変有効です。
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?シンスプリント
?下腿骨(脛骨・腓骨)の疲労骨折
?アキレス腱炎、アキレス腱周囲炎
?アキレス腱断裂
?下腿部(ふくらはぎ)の肉離れ…下腿三頭筋(腓腹筋・ヒラメ筋)
?腓骨神経麻痺(下垂足)
?こむらがえり、ふくらはぎ(下腿三頭筋)のけいれん
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オスグッド病
◎概要
脛骨(スネの骨)の“脛骨粗面”という場所に痛みが起きる疾患です。脛骨粗面には、大腿四頭筋(大腿前面の筋肉)が膝蓋骨(お皿の骨)を介して膝蓋靱帯(膝蓋腱)となって付着し、大きな力(牽引力)が働きます。
成長期の10代前半の男子(女子にもあります)によくみられ、骨の成長が終わりに近づく17〜18歳になると、それまで痛みが続いていても自然に改善することが多いのが特徴です。しかし、運動を継続すると数年にわたって痛みが続き、十分に運動パフォーマンスを発揮できないことも稀ではありません。
◎原因
走る・ジャンプ・ボールを蹴るといった繰り返しで、大腿四頭筋の牽引力が働いて骨端線(成長軟骨)が損傷を起こします。
◎症状
脛骨粗面部の運動時の痛み、正座などで圧迫された時の痛み、膝を屈曲した時の痛み、外見上も骨が隆起するなど。
◎治療
保存治療(手術以外)がほとんどです。手術治療はまれですが、骨片が分離した場合などに行われることがあります。
当院では、運動を制限・休止することが原則ですが、さまざまなことからスポーツ活動を継続しなければならない人もあり、個人の特性に合わせて治療の方針を立てて行っています。その上で、筋肉や靭帯の緊張緩和・痛みの軽減・血流の改善などを目的にテーピング、サポーター(オスグッドバンド)、低周波治療、アイシング(冷却)、温熱療法・運動療法・ストレッチング・マッサージ、はり灸治療などを行っています。
膝蓋前滑液包炎(膝の打撲)
◎概要
滑液包は、衝撃の吸収や摩擦からの保護といった、関節・腱・靱帯・皮膚などの機能を助ける重要な役割をしています。
膝蓋前滑液包は、膝蓋骨(お皿の骨)と皮膚の間にあり、膝周辺の滑液包炎で最も多くみられます。よく似た疾患として膝では“脛骨粗面部滑液包炎”、肘では“肘頭部滑液包炎(ダーツ肘)”といったものがあります。
◎原因
膝の前面を直接打撲して起こることが最も多く、交通事故や転倒などで「1回の打撲」で発生する場合と、スポーツや日常生活で「繰り返し膝をつく」ことで発生する場合があります。また、時に化膿を起こして発生することもあります。
特に「繰り返し膝をつく」場合が多く、“いつの間にか腫れてきた”ということも少なくありません。具体的には、膝をつく作業(雑巾掛けなど)、膝をつくスポーツ(バレーボール、バスケットボール、レスリング、柔道など)に多くみられます。
◎症状
膝蓋骨の前面の腫張(はれ)・血腫(内出血)・圧痛(押すと痛む)・発赤・熱感、歩行痛、膝を曲げると痛むなど。
◎検査
X線検査では骨に異常を認めません。問診・臨床所見が重要で、当院では、問診・臨床検査を行った上で、滑液包の描出に優れた超音波エコーで患部の観察を行っています。
◎治療
膝をつく作業やスポーツを減らすこと、膝を深く曲げないことが原則です。当院では、そういった具体的な日常の使い方の指導をし、その上で消炎鎮痛・患部の固定・圧迫などを目的に、アイシング(冷却)・圧迫包帯・テーピング・低周波治療・温熱療法などを行っています。
また、再発を繰り返す場合や化膿性の場合などは、手術治療や抗生物質の点滴など専門医による治療が必要になることもあります。そういった場合は専門医をご紹介いたしております。
分裂膝蓋骨
◎概要
膝蓋骨(お皿の骨)が、何らかの原因で2つ以上に分裂しているものを分裂膝蓋骨と呼び、膝蓋骨の外側上部が分裂しているものが最も多いです。
痛みなどの症状のあるものを「有痛性分裂膝蓋骨」といいます。一方で、分裂があっても症状のないものもあり「無痛性分裂膝蓋骨」といいます。
◎原因
原因として、疲労骨折・先天的異常・骨の融合不全などいろいろな説があります。
成長期の男子に多く発症し、スポーツで分裂部に筋肉(大腿四頭筋など)の大きな牽引力が働いたり、打撲などをきっかけに痛みが起こります。
◎症状
ランニング・ジャンプ・屈伸運動時の痛み、膝蓋骨の圧痛(押さえると痛い)、腫張(はれ)、骨の隆起など。
◎検査
問診・臨床所見などを十分に行った上で、X線・CT検査などが行われます。 当院では、超音波エコーで患部の経過観察を加えて行っています。
◎治療
ほとんどは、保存治療(手術以外)が行われますが、再発を繰り返す場合などは手術治療を検討しなければならない場合もあります。そういった場合は専門医をご紹介いたしております。
保存治療では、早期発見・治療で分裂した骨が癒合する症例も報告されており、保存治療に対する期待が高まっています。
当院では、痛みの軽減・骨癒合の促進などを目的に、テーピング、ギプス・装具固定、低周波治療、アイシング(冷却)、温熱療法、ストレッチング、マッサージ、筋力増強訓練などを行っています。
膝蓋骨骨折
◎概要
膝蓋骨は膝の前面にあって“膝のお皿”ともよばれ、比較的よくみられる骨折です。
◎原因
転倒や交通事故などで直接打撲(直達外力)して発生する場合が多いです。また、スポーツ活動中などに大腿四頭筋が急激に収縮して(介達外力)、膝蓋骨が引き裂かれるように骨折することもあります。
◎症状
膝蓋骨の圧痛(押さえると痛む)・腫張(はれ)、歩行痛、屈伸運動で痛む、膝を伸ばせないなど。
◎検査
X線検査で骨折がないか確認されますが、中には小さな剥離骨折や分裂膝蓋骨といったものもあり、注意が必要です。
当院では、上記のようなことを踏まえた上で、問診・症状・臨床所見などを重視し、さらに局部をクローズアップして観察できる超音波エコーで経過観察等を行っています。
◎治療
手術治療と保存治療(手術以外)があります。転位(骨のずれ)が大きい場合は手術治療が行われることが多く、転位が少ない場合は保存治療を行うことが多いです。
当院では、骨折の骨癒合の促進・痛みの軽減などを目的に、ギプス・装具固定、低周波治療、松葉杖による免荷、アイシング(冷却)、温熱療法などを行っています。
次に、症状や骨癒合の状況に応じてストレッチング、マッサージ、筋力増強訓練、関節可動域訓練などを行っています。
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変形性膝関節症
◎概要
変形性関節症の中で最も多く、女性に多く発症します。また、変形性膝関節症で問題になる関節軟骨は、体重やジャンプなどで生じる衝撃を分散・吸収するクッションの役割をしています。
◎原因
関節軟骨に“小さなキズが付く”“劣化する”といった変性や摩耗などを起こして、関節の隙間が狭くなったり、骨の変形などが起こります。その結果、関節に炎症を起こして痛みが発生します。
膝の酷使(スポーツ、労働など)、体重、下肢のアライメント(O脚、X脚、扁平足など)、筋力、半月板損傷、前十字靭帯損傷など、さまざまな要因が関与します。
◎症状
歩行時の痛み、膝が曲がらない、伸びない、正座出来ない、立ち上がる際の痛み、階段昇降時の痛み、腫れ、関節水腫(水がたまる)など。
◎治療
保存治療(手術以外)と手術治療とに分かれます。手術治療は、年齢・職業・活動性・趣味・生活環境などを検討した上で選択しなければならないこともあり、必要に応じて専門医をご紹介しております。
保存治療は、「炎症を和らげ、痛みを少なくする(消炎鎮痛)」ことが重要です。また、大腿四頭筋をはじめとした筋力増強訓練、体重の減少、生活様式の改善なども大切です。
当院では、患部の消炎鎮痛・筋力増強・筋肉の柔軟性の獲得などを目的に、テーピング、装具・副子・サポーター固定、アイシング(冷却)、低周波治療、温熱療法、マッサージ、筋力増強訓練、ストレッチング、はり灸治療などを行っています。
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鵞足炎(がそくえん)
◎概要
鵞足は、「縫工筋・薄筋、半腱様筋」という3つの筋肉が1つにまとまった“腱”で、膝の内側の下部にあります。この3つの筋肉が、鵞鳥(ガチョウ)の足のような形をしているため鵞足と呼ばれます。
また、鵞足の動きをスムーズにするといった働きをする滑液包の炎症「鵞足滑液包炎」を併発することが多いです。
◎原因
ランニング、サッカー、陸上競技、バスケットボールなど、膝の屈伸を繰り返すスポーツによく起こります。最近は中高年の人の運動も盛んで、ウオーキングなどで発生することもよくみられます。
また、X脚・O脚や回内足などの下肢のアライメント、筋肉の柔軟性、ストレッチ不足、外骨腫(良性腫瘍)なども要因になることがあります。
◎症状
膝の屈伸時の痛み、腫張(はれ)、熱感など。
◎治療
当院では、運動を制限・休止することが原則ですが、さまざまなことから運動を継続しなければならない人もあり、個人の特性に合わせて治療の方針を立てて行っています。
筋肉や靭帯の緊張緩和・痛みの軽減・血流の改善などを目的に低周波治療、アイシング(冷却)・テーピング・足底板の装着・温熱療法・運動療法・ストレッチング・マッサージなどを行っています。また、はり灸治療も大変有効です。
膝蓋靭帯炎(ジャンパー膝)
◎概要
膝蓋靱帯(膝蓋腱)は、膝蓋骨(膝のお皿の骨)の下部にあります。膝蓋靭帯炎は、いろいろな運動で起こりますが、「ジャンプ競技」に発生することが多いため、ジャンパー膝とよばれています。
大腿四頭筋腱炎、Sinding‐Larsen‐Johansson病、オスグッド病なども含めて、ジャンパー膝と呼ぶこともありますが、中でも最も多いのが膝蓋靭帯炎です。
◎原因
ジャンプ、ランニング、キック、急激なストップなどを繰り返す「オーバーユース(使いすぎ)」によって、膝蓋靱帯に小さな断裂などを起こします。
競技としては、バレーボール、バスケットボール、体操、ハンドボール、サッカー、陸上などに多くみられます。
また、筋肉の柔軟性、ストレッチ不足、下肢のアライメントなどの要素も考えられます。
◎検査
当院では、問診や徒手検査を行って、軟部組織の描出にすぐれた超音波エコーで靭帯の状態をチェックしながら治療を進めています。
◎症状
ランニング・ジャンプ・膝の屈伸・ダッシュやストップなど、いろいろな動作で痛みが発生します。
◎治療
保存治療(手術以外)がほとんどで、手術治療はまれです。
当院では、運動を制限・休止することが原則ですが、さまざまなことからスポーツ活動を継続しなければならない人もあり、個人の特性に合わせて治療の方針を立てて行っています。
筋肉や靭帯の緊張緩和・痛みの軽減・血流の改善などを目的に低周波治療、アイシング(冷却)、テーピング、温熱療法・運動療法・ストレッチング・マッサージなどを行っています。また、はり灸治療も大変有効です。
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膝前十字靭帯損傷
◎概要
膝には主要な靭帯が4つあり(内・外側側副靭帯、前・後十字靱帯)、「関節を安定させる」「関節をスムーズに動かす」「軟骨(クッション)を保護する」などの働きをしています。
前十字靭帯は、大腿骨(ふとももの骨)の後方から脛骨(スネの骨)の前方をつなぐ靭帯です。脛骨の前方へのずれと、膝のひねりを防ぐ重要な働きをしています。
◎原因
バスケットボール、スキー、バレーボール、体操、サッカー、ラグビー、柔道などのスポーツで起こることが多いです。中でも、女性に多いのが特徴です。
急な減速、急な方向転換、ジャンプ着地などの際によく発生します。典型的なパターンは、「膝の外反・下腿の内旋・下腿の前方への移動」という力が働いた際の損傷です。
◎検査
X線検査では靭帯は明確に写らず、臨床所見や徒手検査が基本になります。さらに、前十字靭帯損傷の疑いがある場合はMRI検査が必要です。MRIは靭帯や半月板を描出することに優れており、当院では必要に応じてほかの医療機関とも連携しながら検査を行っています。
◎症状
初期(急性期)は、痛み・腫れ・内出血(血腫)などのために屈伸制限や歩行困難になることがよくあります。また、内側側副靭帯損傷や、半月板損傷などを合併することが多いです。
数週間すると日常生活では支障になることが少なくなり、一見治ったようにも見えます。しかし、急激な動作を行う際に「膝崩れ(膝がガクッとなって外れるような感じ)」を起こしやすくなります。「膝崩れ」を繰り返すと、半月板や関節軟骨などを傷めることがあり、注意が必要です。
◎治療
年齢・靭帯の断裂などによる不安定性の程度・活動性といったことから、手術治療と保存治療(手術以外)のどちらを選択するか検討されます。必要に応じて専門医をご紹介しております、ご相談ください。
手術治療は、前十字靭帯が「修復しにくい靭帯」であるため、“若い人”“これから積極的に運動を行う”といった場合に行われることが多いと思われます。
保存治療は、“中高年の人” “激しい運動をいしない人” “前十字靭帯部分断裂” “小児”などが対象になります。最近は、長寿社会になって生涯を通じてスポーツをする人の増加や、運動の重要性が認識されるようになり、保存治療の役割が重要になっています。
当院では、そういった背景・個人の特性などを考慮した上で、患部の固定・筋肉の柔軟性の獲得・痛みの軽減・筋力増強などを目的に、テーピング、装具・サポーター固定、アイシング(冷却)、低周波治療、温熱療法、マッサージ、筋力増強訓練、ストレッチング、フォームや使い方の指導、はり灸治療などを行っています。
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膝半月板損傷
◎概要
半月板は、膝関節の内側・外側に1つずつある軟骨です。体重やジャンプなどで生じる衝撃を分散・吸収するクッションの役割をしています。また、膝関節(大腿骨と脛骨)を安定させるパッキンのような役割などもしています。
◎原因
ジャンプや階段の昇降などによる膝への衝撃で起こる場合と、膝を捻ることにより起こる場合があります。
“転倒・ジャンプの着地・急激な方向転換(ターン)”といった1回の外傷でも起こりますが、スポーツや日常生活では、繰り返す小さな外傷によって発生することのほうが多いと思われます。また、前十字靭帯損傷に続発するものもあります。さらに、中高年になると半月板は変性して損傷を受けやすくなるため、小さな外傷で損傷しやすくなります。
◎症状
歩行痛、屈伸すると痛む、階段昇降時痛、関節水腫(水がたまる)、膝が曲げ伸ばしできない(ロッキング)、膝が引っ掛かる、コリコリ音がするなど。
◎検査
X線検査では半月板は写らず、臨床所見や徒手検査が基本になりほぼ判断できます。さらに、MRIや関節鏡検査が行われることもあります。どの患者さんにもこれらの検査すべてが必要なわけではありません。当院では、必要に応じてほかの医療機関とも連携しながら検査を行っています。
◎治療
半月板損傷の治療の原則は、半月板の機能を維持して、変形性関節症に移行するのをできるだけ避けることです。治療法には保存治療(手術以外)と手術治療があり、損傷の程度・年齢・活動の状況などから治療法を選択します。
半月板は治りにくく・再発しやすい特徴があります。そのため、手術治療を検討しなくてはならないことも多くあり、必要に応じて専門医をご紹介いたしております。一方で、条件によっては保存治療で治ることも珍しくありませんし、手術治療が行えないこともあります。
当院では、半月板修復の促進・患部の固定・筋肉の緊張緩和・痛みの軽減・筋力増強などを目的に、テーピング、副子・ギプス・装具固定、低周波治療、温熱療法、マッサージ、筋力増強訓練、ストレッチングなどを行っています。
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膝内側側副靭帯損傷
◎概要
膝には主要な靭帯が4つあり(内・外側側副靭帯、前・後十字靱帯)、「関節を安定させる」「関節をスムーズに動かす」「軟骨(クッション)を保護する」などの働きをしています。
この4つの靭帯損傷の中で、最も発生頻度が多いのが内側側副靭帯損傷です。
内側側副靭帯3度損傷(完全断裂)に対して、これまで手術治療が積極的に行われることもありましたが、最近は保存治療(手術以外)が見直され、その治療成績も良好です。
◎原因
「側方に捻る」「下腿に捻りが加わる」などで発生します。そのほかにも、関節の柔軟性、フォーム、筋力不足などさまざまな要因があります。
スポーツ、交通事故、日常生活などいろいろな動作で起こりますが、急な方向転換やジャンプをするスポーツ(バスケットボール、サッカー、バレーボール、スキーなど)に多発します。また、水泳(平泳ぎ)で発生することもしばしばみられます。
◎症状
歩行痛、屈伸すると痛い、腫張(はれる)、血腫(内出血)、膝がグラグラするなどがあります。また、半月板や十字靱帯の損傷を合併することがあります。
靭帯の断裂の程度で、以下のように損傷程度が決められます。
・1度:靭帯が伸びる、あるいは一部断裂したもの。
・2度:広範囲にわたって断裂したもの。
・3度:完全断裂。
◎検査
X線検査では靭帯は明確に写らず、臨床所見や徒手検査が基本になりほぼ判断できます。さらに、半月板損傷の疑いがある場合はMRIや関節鏡検査が行われます。どの患者さんにもこれらの検査すべてが必要なわけではありません。当院では、必要に応じてほかの医療機関とも連携しながら検査を行っています。
一方で、MRIでも異常を明確に写すことができないこともあり、問診・臨床所見などが重要です。また、当院では超音波エコーで靭帯の状態などをチェックしながら治療を進めています。
◎治療
手術治療と保存治療(手術以外)があります。
半月板や十字靭帯の損傷を合併する場合などは、手術治療を検討しなければならないことがあります。
“1度・2度損傷”は「保存治療」が行われますが、“3度損傷”では年齢・性別・活動性などを考慮して、手術治療・保存治療どちらを選択するかを検討しなければなりません。
当院では、損傷の程度に応じて、患部の固定・靭帯再生の促進・筋肉の柔軟性の獲得・痛みの軽減などを目的に、テーピング、ギプス固定、装具固定、アイシング(冷却)、低周波治療、温熱療法、マッサージ、筋力増強訓練、ストレッチング、はり灸治療などを行っています。
また、3度損傷に対しても「内側側副靭帯は修復しやすい靭帯」で手術をしなくてもよく治るため、上記のようなことを考慮した上で保存治療を行っています。
※緑色の疾患名をクリックすると各疾患にジャンプします